アレチハナガサ

アレチハナガサ(クマツヅラ科)[荒地花笠]

南アメリカ原産の帰化植物で、渡来年代は不明。昭和32年(1957年)頃に各地で帰化していることが報告された。生態系被害防止外来種。

荒れ地や河川敷、道端に群落をつくって生え、茎は直立し高さ1-2mになる多年草。全体に剛毛が生える。茎は中実で4稜があり、上部で枝を分け枝は開出する。
葉は無柄で対生し粗い毛があってざらつく。下部の葉は不揃いの鋸歯があり、狭楕円形~広線形で先はとがり基部はくさび形に細くなり、ときに柄状になる。葉身の半分より上部に鋭鋸歯がある。
枝先に長さ2-3cmの穂状花序をややまばらに出す。花冠は淡紫色で直径2-3mm、先は5裂する。花筒部は短く、萼の2倍ほど。雄しべ、雌しべは短く花筒内部に隠れる。花は花序の基部から先に向かって咲き上がる。萼は筒状で5裂し、裂片は披針形~3角形。基部に萼とほぼ同長の苞がある。
果期には穂が伸びて長さ1-5cmの円柱状になる。果実は長さ1.3mmの分果で、4裂し宿存する萼筒の下部に収まる。

よく似たヤナギハナガサは、花筒部が長く、萼裂片は低い3角形。花は上部に固まって花笠状に密に咲く。
花期:6-11月
分布:帰化植物
撮影:2016.6.7 神奈川県横須賀市
アレチハナガサ-2
花筒部はヤナギハナガサよりはるかに短い。 2016.6.7 神奈川県横須賀市

アレチハナガサ-3
各地ではびこる雑草とはいえなかなか美しい。 2019.7.25 神奈川県三浦市

アレチハナガサの葉
葉身の上半部に鋭鋸歯がある。 2019.7.25 神奈川県三浦市

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