アゼナルコ

アゼナルコ(カヤツリグサ科)[畦鳴子]

名は、田のあぜに生え、垂れ下がる小穂の姿を鳴子にたとえてついたもの。別名アゼナルコスゲ。「鳴子」とは、秋の田で音を出して鳥を追い払う道具のこと。板に小さな竹筒をいくつか結び付けてつるし、縄を引いたり風が吹くとからからと大きな音が出るようにしたもの。

平地~丘陵地の川岸、田のあぜ、休耕田、湿った草地などに生える多年草で、高さ40-80cmになる。茎は鋭い3稜があって上部はざらつく。根茎は短く、匐枝はなく密に叢生する。
葉は黄緑色でやや硬く、幅0.4-1cmの線形。基部の葉は葉身がなく、茶褐色の葉鞘だけとなり、竜骨があり少し糸網を生じる。
小穂は柄があって4-7個が下垂し、長さ3-8cmの円柱形で密に鱗片と果胞をつける。頂小穂は先端部に雌花部、基部に幅3-4mmの細い雄花部がつく。側小穂は幅5-7mmで全て雌花からなる。苞は葉状で無柄、茎より長く、上半部は折れ曲がって下行する。雌鱗片は長さ2.5mm、褐色を帯びて先が浅くくぼみ、その中央から縁の刺でざらつく長い芒が出る。芒と中肋は淡緑色でその両側は白色。果胞は長さ.2.5-3mmの扁平な倒卵形で茶褐色となり、脈はなく微細な乳頭状突起が密生し、嘴は短く口部は全縁。柱頭は2岐。果実は長さ1.5-2mmの倒卵形で褐色。
果期:5-6月
分布:本・四・九・沖
撮影:2016.6.10 神奈川県横須賀市

頂小穂は雌雄性で基部側の細い部分が雄花部。 2024.5.21 横浜市栄区

アゼナルコの側小穂
雌鱗片の芒と中肋は緑色で両側は白色。 2017.5.15 神奈川県横須賀市


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