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ビロードモウズイカ(ゴマノハグサ科)[天鵞絨毛蘂花] |
全体にビロード(ベルベット)のような毛に被われていて、雄しべにも毛が生えているのでこの名がある。直接的にはモウズイカに似て綿毛に被われていることからついたもの。 地中海沿岸原産の大型の越年草で、明治時代にニワタバコの名で観賞用に移入された。実際、タバコの姿に似ている。日当たりのよい河原や線路際などの荒れ地に生え、北日本や高冷地で勢いがよい。茎は枝を分けずに直立し、高さ1-2mになる。全体に灰白色の星状毛が綿毛状に生えている。星状毛は特異で輪生状に分枝する。 根生葉はやや立ち気味の大型のロゼットで越冬し、花時まで残る。長さ10-30cmの長楕円形で先は鈍く基部は短い柄となり、浅い鈍鋸歯がある。茎葉は互生し、卵状長楕円形で縁に先の円い鋸歯があり、先はとがり基部は茎に沿って下方に流れ、翼をつくる。 茎の先に長さ20-50cmの総状花序を出し、黄色の花を密につける。花は一日でしぼむ。苞は披針形で長さ0.7-2cm、上のものほど小さくなる。苞の腋に2-3個の花をつけ、花柄は短く太い。萼は鐘形で5深裂する。花冠は黄色で直径2-2.5cm、5深裂し、内面は無毛、外面に星状毛が散生し、広く開く。雄しべは5個で、うち上部の3個は短く、その花糸には白色の長毛が密に生える。雌しべは1個。 果実は残存する萼に包まれた直径約8mmの球形の蒴果で2室からなり、密に灰白色の毛で被われる。種子は多数でごく小さく、長さ0.7-0.9mmの角張った長楕円形。 英名はコモン・マレイン(common mullein)といい、ハーブやドライフラワーとして利用されている。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
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