ボタンボウフウ

ボタンボウフウ(セリ科)[牡丹防風]

名は葉がボタンに似ていることからついたもの。防風とは中国産のセリ科の薬用植物。セリ科特有の香りがあり、若芽は食用になるのでショクヨウボウフウともいう。葉を生食するほか、根を民間薬として利用する。長命草の名で栽培され、青汁などの健康食品にされるのは本種。

海岸の日当たりのよい砂地や岩場に生える多年草で、茎は太く、屈曲しながら直立し、よく枝を分けて高さ0.6-1mになる。一度開花結実すると枯死する一回繁殖型植物。
葉はやや青味を帯びた粉白色で厚くて軟らかく無毛、長い柄がある1-3回3出複葉で、小葉は長さ3-6cmの倒卵状くさび形で先は浅く2-3裂する。
茎の先に10-20個の枝からなる大散形花序をつけ、小散形花序に白い小花が多数つく。花序に総苞片はなく、数個の小総苞片があって縁に毛がある。花弁は5個で内側に反曲し、雄しべは5個で花弁より長い。
果実は長さ4-6mm扁平な楕円形で、油管は各背溝下に3-4個、合生面に8個ある。短毛があり、熟すと2分果に分かれる。

全体が暗紫色のものを品種ムラサキボタンボウフウという。同属のハクサンボウフウは高山帯の草地に生える。
花期:6-9月
分布:本(太平洋側は関東地方以西、日本海側は石川県以西)・四・九・沖
撮影:2017.8.4 神奈川県三浦市
ボタンボウフウ-2
海岸の日当たりのよい砂地や岩場に生える。 2022.8.5 神奈川県三浦市

ボタンボウフウの茎
茎は太く、屈曲しながら枝を分ける。 2022.8.5 神奈川県三浦市

ボタンボウフウの花
花弁と雄しべは5個。花弁は内側に曲がり、雄しべは花弁より長く突き出る。 2017.8.4 神奈川県三浦市

ボタンボウフウの葉
葉はやや青味を帯びた緑白色。わきに見えている葉はイソギク。 2020.8.16 千葉県南房総市


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