ダキバヒメアザミ

ダキバヒメアザミ(キク科)[抱葉姫薊]

名は、九州と本州の一部に分布するヒメアザミに似ているが、葉が茎を抱いていることからついたものか。

山野に生え、高さ1.5-2mになる多年草。茎は無毛で粉白色、しばしば紫色を帯びる。東北地方では普通にあると書いてある図鑑が多いが、太平洋側ではあまり見たことがなく、見逃しているだけかもしれないが多いという印象はない。日本海側では山菜として食用にされているようだ。
根生葉は花時にはない。茎葉は互生し、長さ10-30cmの楕円形~広披針形で鋸歯縁または羽状に中裂(特に下部の葉)し、刺は少ない。葉の基部は広く茎を抱き、先はとがる。裏面は緑色。
枝の上に紅紫色で直径3cmほどの頭花を上向きに単生する。総苞は幅1-1.5cmの鐘形で粘らない。総苞外片、中片は線状披針形で長く伸び、先に刺はほとんどなく、中ほどで反り返る。小花は長さ1.7-2cmで狭筒部と広筒部は同長。痩果は淡褐色。

東北地方で普通にあるナンブアザミの葉の裂けないタイプはよく似ているが、葉が茎を抱かない。
花期:7-10月
分布:本(新潟県以北)
撮影:2009.10.3 秋田県羽後町
ダキバヒメアザミの葉の基部
葉の基部は広く茎を抱く。鋸歯は不規則。 2009.10.3 秋田県羽後町

ダキバヒメアザミの頭花
総苞片はふつう反曲するが、これは反曲していない。頭花に接して葉(苞葉)がついている。 2009.10.3 秋田県羽後町


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