ハマエンドウ

ハマエンドウ(マメ科)[浜豌豆]

名は、浜に生え、全体にエンドウに似ているとこからついたもの。

海岸の砂浜や海岸付近の道端に生えるほか、湖岸や川岸の砂地にも生える多年草で、砂が安定していればあまり場所を選ばない。茎は横にはい、長さは1mに達し、上部は斜上して高さ20-60cmになる。茎に稜角があるが翼はない。全体にほぼ無毛で粉白色を帯び、長い根茎を伸ばして殖える。
葉はまばらに互生し、3-6対の小葉をもつ偶数羽状複葉で、先端は巻きひげになるが、他の植物などに巻きつくことはあまりない。巻きひげは分岐しない。小葉はやや肉質で長さ1.5-3cm、幅1-2cmの卵形~長楕円形で全縁、先は円く先端は小さい針状にとがる。1対の托葉は小葉と同長かより大きく、3角状卵形で先はとがる。
葉腋から長さ6-9cmの花柄を出し、総状に3-6個のマメ科特有の蝶形花をつける。花は長さ2.5-3cmあり、旗弁は咲き初めは紅紫色で後に青紫色に変わる。2個の翼弁が竜骨弁を被う。竜骨弁は鈍頭。翼弁が白色のタイプと青紫色のタイプがある。萼は斜形で長さ1.2-1.5cm、上部は5裂する。裂片は狭3角形、下部の3片は上部の2片より長く、最下のものは常に萼筒より長い。花期が長く、初夏から晩夏まで名残惜しそうにぽつりぽつりと咲き続ける。
豆果は無毛で長さ5-10cm、幅1cmの線状長楕円形で扁平、熟すと黒褐色になり、2片に裂開する。種子は数個でき、褐色で球形。

スイートピーの仲間であり、若い実は食用になるが、弱い毒性があるので火を通すのが無難だろう。また美しいので庭で栽培する人もいるようだ。
花弁全部が白色のものがまれにあり、ユキイロハマエンドウという。茎や葉、萼に軟毛が生えるものをケハマエンドウといい、北海道~本州の日本海側に見られる。
花期:4-7月
分布:日本全土
撮影:2011.6.5 秋田県男鹿市
ハマエンドウ-2
翼弁が青いタイプ。 2017.4.25 神奈川県横須賀市

ハマエンドウ-3
砂浜で群生する。 2011.6.5 秋田県男鹿市

ハマエンドウ-4
3-6個の花をまとめてつける。萼は5裂する。 2021.4.1 神奈川県茅ヶ崎市

ハマエンドウの萼
萼裂片は下部の3片が上部の2片より長く、最下のものは常に萼筒より長い。 2019.6.4 神奈川県三浦市

ハマエンドウの葉
葉は粉白を帯びた偶数羽状複葉で先の巻きひげはあまり他物に巻きつかない。 2021.4.1 神奈川県茅ヶ崎市


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