ハナカタバミ(カタバミ科)[花傍喰] |
南アフリカ原産の多年草で江戸時代末期の天保14年(1843年)に渡来して栽培された。現在見られるものはその後に移入したものと考えられており、オキザリス・ローザとよばれて栽培されているが、関東地方以西の暖地でしばしば野生化している。 地下に紡錘形の塊茎がある。小鱗茎はない。茎や花柄、葉柄などに開出した細毛が密生する。 葉は3出複葉で全て根生し、葉柄は長さ5-30cmで細毛が密生し、基部に長さ1.5cm、幅2mmの膜質半透明の托葉と関節がある。小葉はやや質が厚く、長さ幅とも3-8cmの円みのある倒心形で表面は僅かに光沢があり、裏面は白緑色、細毛を散生する。就眠運動を行い、夜に小葉は閉じる。 高さ15-40cmの葉より高い花茎を出し、先端の散形花序に直径3-4cmの花を8-12個つける。花は淡紅色で基部は黄色、やや濃色の筋があり、中心部は黄色。花柄は長さ2.5-7cmで細毛が密生し、基部に長さ3-4mmの線形の小苞がある。萼片は5個、長さ5-7mm、幅1-1.5mmの狭披針形で細毛がある。花弁は5個、長さ2-2.5cm、幅1.5-2cmの広倒卵形で縁は細かく波打つ。花弁の幅が広いので先端付近まで互いに重なる。雄しべは10個で5個ずつ2輪に並び、内側の5個は長く、花弁と対生する。葯は黄色。子房は5本の溝があり花柱は5個で子房より短い。 果実は蒴果で種子ははじけ飛ぶ。 イモカタバミは似ているが、葉柄や花柄は無毛で花の中心は濃紅色。ムラサキカタバミは地下に多数の鱗茎ができ、花の中心は淡黄緑色で葯は白色。イモカタバミもムラサキカタバミも花弁の幅は狭いので、ハナカタバミのように花弁先端付近まで重なることはない。 花期:7-11月・3-4月 分布:帰化植物 撮影:2015.9.23 神奈川県鎌倉市 |
2020.10.21 横浜市金沢区 花弁の幅が広いので先端付近まで互いに重なる。 2020.10.21 横浜市金沢区 茎や花柄、葉柄などに開出した細毛が密生する。 2020.10.21 横浜市金沢区 葉の表面に僅かな光沢がある。 2020.10.21 横浜市金沢区 |
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