ハルガヤ(イネ科)[春茅] |
名は、英名のSweet vernal grassの和訳。 明治初期に牧草として移入されたが収量が低いことから放棄されたユーラシア原産の多年草。野生化して空き地や道端に生える。生態系被害防止外来種。茎は細くて柔らかく、まばらな開出毛が生え、地表で分枝して株立ちになり高さ30-70cmになる。根茎はほとんどない。 葉は長さ3-10cm、幅2-5mmの線形で質は軟らかく、まばらに軟毛があり、まれに無毛。葉舌は膜質で高さ2-5mm、葉鞘は長い。 円錐花序は長さ4-10cm、幅0.8-1.5cmの狭披針形~狭長楕円形で直立し、毛のある短い柄に密に小穂をつけて穂状に見える。小穂は長さ0.8-1cmの披針形で左右にやや平たく、黄褐色で光沢がある。3個の小花からなるが、第1小花と第2小花は護穎のみに退化し、実るのは第3小花のみ。第1苞穎は小穂の半長の卵形で1脈があり、第2苞穎は広披針形で小穂と同長で3脈があり、ともに中央脈に沿って内折する。退化した第1小花と第2小花の護穎は膜質で褐色の毛が密生し、背面から長い芒が出る。第3小花は護穎は小さく平滑で無毛、雄しべ2個、花柱2個が小穂の外に伸び出す。 クマリンを含み、干し草にすると桜餅の香りのようなよい香りがする。飼料に混ぜると家畜の食欲が増進するという。また、バニラグラスの名でハーブとしても流通しているが、花粉症の原因植物の一つでもある。 小穂の柄や苞穎が無毛のものをケナシハルガヤ(メハルガヤ)という。利尻島と南アルプスの高山帯には退化小花の護穎以外が全く無毛であるミヤマハルガヤが分布する。 花期:4-7月 分布:帰化植物 撮影:2005.5.29 岩手県山形村 |
雄しべと花柱は小穂の外に飛び出る。 2005.8.27 秋田県大館市 |
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