ヒゴクサ

ヒゴクサ(カヤツリグサ科)[籤草]

名は、細い茎を竹ひごに見立てたという説があるが、はっきりしない。「肥後草」と書くこともある。

平地~丘陵地の明るい林内の草地などに多い多年草で、高さ20-40cmになる。茎は細く、鋭い3稜があってざらつく。地下に細長い根茎を伸ばし、まばらに叢生して殖える。
葉はほぼ根生し、長さ約30cm、幅2.5-4mmの線形で裏面はやや白っぽい。葉鞘は葉身があり黄褐色。
苞は葉状で長く、その基部は無鞘。小穂は2-4個つく。頂小穂は雄性で柄があり、長さ1.5-3cmの線形。側小穂は雌性で長さ1-2cm、幅6-7mmの楕円形~狭長楕円形。細い柄があり、花期に直立しているが果期にはうなだれる。雌小穂は密に鱗片と果胞をつけ、果胞は長さ3.5-4mmで無毛、僅かに膨らみ、上部は次第に細長い嘴状になり、口部は2歯。果胞の先端から白くて長い柱頭が伸びる。柱頭は3岐、果期にも褐色になって残存する。果胞は熟すとやや開出する。雌鱗片は淡緑色で、果胞より少し短く、鋭頭。果実は長さ1.5-2mmの倒卵形で3稜がある。

エナシヒゴクサは葉の裏面は白色を帯びず、小穂は柄がごく短いので果期にうなだれない。
花期:4-6月
分布:北・本・四・九
撮影:2016.5.16 神奈川県逗子市
花期のヒゴクサ
頂小穂は雄性、側小穂は雌性。 2017.4.26 横浜市戸塚区

ヒゴクサの花期の小穂
花期には白い柱頭がよく目立つ。 2020.4.22 横浜市中区

ヒゴクサの果期の小穂
果期にも柱頭の残骸が長く残る。 2016.5.16 神奈川県逗子市


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