ホソエガラシ(アブラナ科)[細柄芥子] |
果柄が細く、果実の太さの半分ほどしかないことからこの名がついた。 昭和30年(1955年)に三重県津市で初めて見いだされた、ヨーロッパ南部原産の1年草または越年草。にわかには信じがたいが、希少在来種であるキバナハタザオの仲間。市街地の構造物の片隅の日陰や道端などで見られるが、ややまれ。 茎は無毛または短毛を散生、直立して上部で分枝し、高さ20-60cmになる。秋に発芽したものはロゼットをつくって越冬する。 葉は光沢があって互生し、太くて白い主脈がよく目立つ。根生葉と下部の茎葉は倒披針形~狭長楕円形で羽状に深裂し、頂裂片は鈍頭、側裂片は2-6対でやや小型、縁に不揃いな鋸歯がある。上部の茎葉は頂裂片が鉾形で鋭頭、側裂片は0-3対、上部のものほど裂片は細くなり、歯牙縁から全縁になる。 茎頂に長い花序を出し、直径3-4mmの淡黄色の4弁花を多数つける。花弁が細いので華やかさはない。萼片は4個、長さ1.5-2.5mmの長楕円形で斜上する。花弁は長さ2.5-4mmの倒披針形~へら形で円頭。雄しべは6個で葯は黄色。柱頭は頭状で先端がくぼむ。 果柄は長さ0.5-1.5cmで細く、果実の太さの半分程度。上部の若い果実は、開花中の花序の先端の花を越えて周りを囲むように伸びる。斜上する果柄に長角果がつき、長さ3-5cmで斜上またはやや直立する。残存花柱は短く、長さ1mm以下。果皮片に3脈があり、中央脈が強い。種子は多数が1列に並び、楕円形で長さ0.7-1.1mm、淡褐色。 同属のカキネガラシは果実が花茎に密着し、上部の若い果実が開花中の花を越えて伸びることはない。 花期:2-5月 分布:帰化植物 撮影:2022.4.7 神奈川県茅ヶ崎市 |
花弁は細い。 2022.4.7 神奈川県茅ヶ崎市 若い果実が開花中の花を越えて伸びる。 2022.4.7 神奈川県茅ヶ崎市 斜上する細い果柄に長い長角果が斜上してつく。 2022.4.7 神奈川県茅ヶ崎市 根生葉と下部の葉は羽状深裂して光沢があり、太くて白い主脈がよく目立つ。 2022.4.7 神奈川県茅ヶ崎市 上部の葉は細く、切れ込みは少ない。 2022.4.7 神奈川県茅ヶ崎市 |
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