イヌムギ(イネ科)[犬麦] |
名は、ムギに似ているが、(食糧としては)役に立たないことからついたもの。 世界各地に帰化している南アメリカ原産の越年草または短命な多年草。春と秋に発生する。牧草としてアメリカ経由で入ったと推定され、明治15年(1882年)に東京都小石川西丸町(現文京区)で最初に採集された。戦後、都市部を中心として急速に全国に広がった。 農耕地や道端、土手などに普通に生え、茎は太く無毛で濃緑色、叢生して高さ0.4-1mになる。 葉は長さ15-30cm、幅0.4-1cmの広線形で、上面は無毛で下面はまばらに毛がある。葉鞘は円筒形で上方のものは無毛、下方のものは有毛。葉舌は白色、高さ3-5mmの卵形。白色の長毛がある。 先が垂れた長さ15-25cmの円錐花序の各節に、2-3枝を出して1-4小穂をつける。小穂は緑色でやや光沢があって扁平、長さ2-3.5cmの狭卵形で、6-12個の小花からなる。穎は全て中央脈に沿って2つ折れとなり、左右に強く扁平で無毛。第1苞穎は3-5脈があり、長さ0.8-1.3cm。第2苞穎は7-11脈があり、長さ1-1.5cm。護穎は9-13脈あり、長さ1.4-1.7cm、先端に2歯があってその間から1-2mmのごく短い直立した芒が出る。雄しべは3個、葯は閉鎖花のものは長さ0.5mmで穎内にあり、開花期にも外に出ない。内穎は護穎の1/3-1/2長で、やや内側に曲がる。開花する株の葯は長さ3-5mmで穎外に出て垂れる。開花株の花期は4-5月で閉鎖株の花期は7月まで。 ヤクナガイヌムギは内穎は護穎の3/4以上、護穎の芒は0.2-1.2cm、開花時の葯は長さ4-5mmで穎外に出る。 花期:4-8月 分布:帰化植物 撮影:2023.4.20 神奈川県横須賀市 |
道端などに叢生する。 2023.4.20 神奈川県横須賀市 小穂。 2023.4.20 神奈川県横須賀市 |
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