イワインチン(キク科)[岩茵蔯] |
名は、岩場に生えるカワラヨモギ(生薬名を茵蔯蒿といい、葉が似ている)の意であるが、ヨモギ属ではなくキク属。 海岸に生えるイソギクやシオギクに近い種類で、キク属の中にあって舌状花をもたない。 別名インチンヨモギという。上の写真はまだ蕾の状態で、咲くと濃い黄色になる。 亜高山帯~高山帯の日当たりのよい乾いた草地や砂礫地、岩上に生える多年草で、茎は叢生し、細くて硬く、枝を分けず高さ10-25cmになる。根茎は短くはう。キク属特有の精油成分があり、強いキクの香気がある。 茎葉は密に互生して長さ2-3cmで羽状に3-5深裂し、裂片は線形で幅1-2.5mm、先はとがる。裏面は丁字状毛が密生して銀白色に見える。 頭花は直径3-5mmで黄色、散房状に5-20個が密集してつき、舌状花はなく筒状花のみからなる。総苞は長さ2.5mmの広鐘形。総苞片は3列に並び、外片は卵形~長楕円形で内片より短い。筒状花の周辺部が雌花で中心部は両性花。花冠の先に5歯がある。 痩果は倒卵状円柱形で短毛が生え、冠毛はない。 本種とリュウノウギクの雑種がまれに見つかり、最初に戸隠山で見つかったのでトガクシギクとよばれている。葉の裂片は幅広く、舌状花をもつ。近縁のオオイワインチンは、群馬(荒船山・妙義山)、長野県、富山県に生え、高さ20-60cmになり頭花の直径は5-6mmと大きい。 花期:8-10月 分布:本(東北地方南部以南~中部地方以北) 撮影:2004.7.17 静岡市葵区 |
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