カイコバイモ(ユリ科)[甲斐小貝母] |
名は、甲斐国(現在の山梨県に相当する地域)に生えるコバイモの意。 環境省レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく国内希少野生動植物種に平成31年(2019年)に指定された。 丘陵~山地の落葉樹林内にごくまれに生える多年草。茎は暗紫褐色で高さ10-20cmになる。鱗茎は2個の鱗片からなる。 根生葉はなく、茎葉は5個で下方の2個の葉は対生し、長さ4-6.5cmの披針形~広披針形。上方の3個の葉は輪生し、細くて小さい。茎頂に椀状鐘形の花を1個下向きにつける。花被片は6個、長さ1.2-2cmの長楕円形で先はとがり、中脈に突起はない。暗紫色の斑紋はあまりないか、あっても目立たない。花被片内面中央の下半部に黄色い斑紋があり、基部近くに腺体がある。花被片は下部で外側に張り出す。雄しべは6個で花被片より短く、花糸は平滑で葯は白色。子房は3室、花柱は平滑で3中裂する。 果実は胞背裂開する蒴果で、種子に狭い翼がある。 似ているイズモコバイモは、花糸や花柱に細突起があり、花柱はほとんど裂けない。コシノコバイモは内花被片の縁に顕著な突起がある。 花期:3-4月 分布:本(静岡県・山梨県・東京都) 撮影:2022.3.16 東京都八王子市 |
下方に対生する2個の葉、上方に輪生する3個の葉がある。 2022.3.16 東京都八王子市 茎頂から1個の花が下向きにつく。この後、花被片の下部が次第に外側に開いてくる。 2022.3.16 東京都八王子市 |
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