カラコギカエデ

カラコギカエデ(ムクロジ科)[鹿子木楓]

名の由来として、樹皮が剥げて鹿の子模様になることから、「カノコ木楓」とよばれていたものが転訛したという説がある。

山地の湿地に生え、高さ5-8mになる雌雄同株の落葉低木~小高木。
樹皮は灰褐色で縦に不規則に裂け、成木になると鱗片状に剥がれる。枝は無毛。
葉は対生し、質はやや厚く、長さ5-12cm、幅3-9cmの卵状楕円形。先は鋭くとがり基部は浅い心形~広い円形で、縁に不揃いの重鋸歯がある。表面は無毛でやや光沢があり、裏面は脈上にまばらに淡褐色の軟毛がある。下部はしばしば3裂し、まれに5裂することがある。老木の葉は不分裂葉が多い。葉柄は長さ2-6cmで赤みを帯びる。葉を見てもカエデには見えないが、秋になれば紅葉する。
本年枝の先に短い円錐花序を出し、淡黄緑色の花を多数つける。花序には腺毛がある。1つの花序に雄花と両性花が混生し、花弁、萼片は5個、雄しべは8個。雄花は長い雄しべが目立ち、雌花は雄しべは短く、2裂した柱頭が目立つ。
果実は分果が長さ2.5-3.5cmの翼果で、まばらに軟毛が生える。翼はほぼ平行か鋭角に開く。
花期:5-6月
分布:北・本・四・九
撮影:2006.6.4 岩手県雫石町
カラコギカエデの花
雄花は長い雄しべが目立つ。 2006.6.4 岩手県雫石町

カラコギカエデの果実
翼果はほぼ平行~鋭角に開く。 2019.6.5 神奈川県箱根町(植栽)

カラコギカエデの葉
老木では不分裂葉が多いが、若木ではふつう3裂でまれに5裂する。 2019.6.5 神奈川県箱根町


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