キカラスウリ(ウリ科)[黄烏瓜] |
赤い実のカラスウリに対して、黄色の実をつけるのでこの名がある。 人家周辺の林縁ややぶなどに多いつる性で雌雄異株の多年草で、茎の節から先が2-5本の分かれた巻きひげを出して他の草木に絡みつきながら伸びていく。根は太くて長い塊根となる。 葉は互生し、長さ幅とも10cmほどの広心形で、3-7浅裂して先がとがる。表面にまばらな毛があるが後に無毛、カラスウリより質は薄く、緑色でやや光沢がある。巻きひげは2-5分岐する。 夕方に直径10cmほどの白い花を開き始め、翌日の朝遅くまで咲いている。雌花は単生し、雄花は総状に数個つく。花冠は5裂し、裂片は倒卵形で縁は糸状に裂けるがカラスウリより糸状体は短い。 秋には長さ3-5cmの果柄の先に長さ7-10cmの球形~楕円形で黄色い液果をぶら下げる。種子は淡黒褐色で長さ1-1.4cmの扁平な楕円形で、隆起した帯はない。 塊根は紡錘形で、そのデンプンを天瓜粉(てんかふん)といって子供のあせもに外用する。漢方で、干した塊根は括楼根(かろうこん)、干した種子は括楼仁(かろうにん)という。 よく似て赤い実をつけるカラスウリは、花冠の裂片が細くはっきりとした星形で、そこから長く糸状に分裂し、夜明け前にしぼんでしまう。巻きひげは1-2分岐する。果実はひと回り小さく朱赤色に熟す。 花期:7-9月 分布:北(奥尻島)・本・四・九・沖 撮影:2002.7.29 青森県八戸市 |
花冠裂片は倒卵形で縁は糸状に裂けるが、カラスウリより糸状体は短い。 2002.7.29 青森県八戸市 葉はカラスウリより質は薄く、緑色でやや光沢がある。 2023.9.26 横浜市南区 若い果実。カラスウリより一回り大きい。 2023.9.26 横浜市南区 黄色に熟した果実。 2014.1.16 横浜市南区 |
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