コマツナギ(マメ科)[駒繋] |
名は、細いが丈夫で強く、馬でさえつなぎ止めておくことができるほどだということからついた。馬がこの草を好んで食べるのでそこから動かなくなるからという説もある。 日当たりのよい乾いた草地、道端、川の土手などに群生し、草のように見えるが、茎の下部が木化する落葉小低木。茎は丁字状の毛があって細く、斜上または横にはって高さ40-80cmになる。 葉は互生し、3-5対の小葉をもつ奇数羽状複葉。小葉は長さ0.8-2.5cm、幅0.5-1.2cmの楕円形で全縁、鈍頭~円頭、両面に丁字状の毛がまばらにある。托葉は微小で針状、脱落し、小托葉は宿存する。 葉腋から長さ4-10cmの総状花序を出し、淡紅紫色で長さ4-5mmのマメ科特有の蝶形花を密につけ、下から咲き上がる。萼は長さ約2mmで上半部で5裂し、裂片は長さ約1mmの狭3角形、白色の毛がある。雄しべは2体。葯隔は先端が突出する。 豆果は長さ2.5-3cm、幅2.5-3mmのまっすぐな円筒形で短い伏毛がある。茶褐色に熟し、裂開して種子をはじき飛ばす。種子は3-8個で楕円形、緑黄色~赤褐色。 最近は、道路の法面緑化用に中国から導入されたキダチコマツナギが増えており、大型で直立し高さ2.5m、太さ3-4cmに達する。その大きさでコマツナギとは違うものであることが分かるが、花や葉、果実はコマツナギとほぼ変わらない。コマツナギと同種とする見解もあるようで、今後の研究の推移を見守りたい。 花期:6-9月 分布:本・四・九 撮影:2017.6.9 神奈川県横須賀市 |
茎はふつう斜上する。 2017.6.9 神奈川県横須賀市 海岸の岩上に生えるものは高さ5-10cmほど。 2022.8.5 神奈川県三浦市 マメ科特有の蝶形花を密につけた花序が葉腋から立ち上がる。 2016.7.29 神奈川県三浦市 |
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