クロミノウグイスカグラ(スイカズラ科)[黒実の鶯神楽] |
名は、ウグイスカグラと同属で黒い実をつけることからついたもの。 北海道では低地にも、本州では亜高山~高山に生える落葉低木。北海道では本種(その近縁種も含む)がハスカップとよばれて栽培され、ジャム・果汁・菓子の材料に使われているせいか、北海道特産と信じている人が多いがそんなことはなく、本州でも高い山に行けば見られる。 日当りのよい湿り気のある礫地や裸地に生え、よく分枝して横に広がり、高さ0.3-1mになる。高山では地をはうように伸びる。 葉は対生し、柄があって長さ2-8cm、幅1-3cmの楕円形で先は円く、全縁で縁と両面に毛がある。 本年枝の葉腋から出る短い柄の先に、黄白色の花を横~下向きに2個ずつつける。基部に2対の小苞が合着して袋状になったものに包まれた2個の子房がある。花冠は長さ1.5-3cmの漏斗形で先は5中裂し、ほぼ無毛か外側に粗い毛が生える。 果実は長さ1.2-1.5cmの粉白を帯びた紫黒色の液果で、晩夏に甘く熟す。 葉の幅が狭く、花冠の内外に粗い毛があり、若い枝や葉柄にも密に毛があるものをケヨノミといい、枝や葉がほぼ無毛のものをマルバヨノミという。 ただ、この仲間は変異が大きく、クロミノウグイスカグラなのかケヨノミなのか、またマルバヨノミなのか区別できないものも見られる。区別する必要があるかは見解が分かれる。 ケヨノミとクロミノウグイスカグラを分けて考えた場合、岩手県ではケヨノミは早池峰山のみに分布とされていることから、この画像は焼石連峰で撮影したものなので、クロミノウグイスカグラということになる。 花期:5-7月 分布:北・本(中部地方以北) 撮影:2004.6.5 岩手県湯田町 |
花冠は黄白色の漏斗形で先は5中裂する。 2004.6.5 岩手県湯田町 |
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