クルマバツクバネソウ(シュロソウ科)[車葉衝羽根草] |
名は、ツクバネソウに似て、輪生状の葉が多いことから荷車の車輪に見立てたもの。「衝羽根」は羽子板で突く羽根のついた玉のこと。ツクバネソウ属は4数性。 深山のやや湿った林内に生える多年草で、茎は直立し高さ15-40cmになる。根茎を横に伸ばして殖える。ツクバネソウよりも深い山に生える。 茎頂に葉を6-8個輪生する。葉は無柄で長さ5-15cm、幅1.5-4cmの長楕円状倒披針形で、網状脈があるが3本の主脈が目立ち、先は鋭くとがる。 茎頂から長い花柄を出し、直径4-7cmで黄緑色の花を上向きに1個つける。花弁に見える外花被片は4-5個あり、緑色で長さ3-4cmの披針形~狭卵形。内花被片は4個あり、黄色で線形、外花被片より短く、外花被片の間から下に垂れる。雄しべは8個あり、葯は5-8mmの線形で黄色、葯の先に葯隔が細長く突き出る。雌しべは紫黒色で花柱は4裂する。 葉が細く6-8個輪生するので、葉が4個で幅広いツクバネソウとの区別は容易。クルマバツクバネソウは、葯隔が長く突き出ることもよい特徴。 果実は球形の液果で紫黒色に熟す。 根茎は漢方で王孫(おうそん)といい鎮痛に用いる。若葉は食用にする。 花期:5-7月 分布:北・本・四・九 撮影:2004.5.9 仙台市太白区 |
葉を6-8個輪生する。 2005.6.5 岩手県玉山村 大きな4個は外花被片、線形で目立たず外花被片の間から下に垂れているのが内花被片。黄色いのは葯で先に葯隔が細長く突き出る。 2005.6.5 岩手県玉山村 |
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