ミヤマコゴメグサ(ハマウツボ科)[深山小米草] |
亜高山帯~高山帯の乾いた草地に生え、高さ5-20cmになる半寄生の1年草。イネ科植物などに寄生する。 茎は暗紫色を帯びて下向きの白い屈毛があり、下部で2-3本に分岐する。茎や萼に腺毛はない。 葉は対生し、長さ0.5-1.2cm、幅4-6mmの倒卵形で基部は急に細くなってくさび形、上半部にややとがった鋸歯が1-3対ある。最上部の葉は明瞭にとがる。 花は2唇形で上部の葉腋に1個ずつつく。花冠は白色で、下唇は3中裂してさらに2浅裂し、長さ1cmほど。上唇は下唇の1/2長でしばしば淡紫色を帯びる。中央裂片の内面に黄色の斑紋と軟毛がある。雄しべは4個。萼は無毛、裂片は4個とも同長で長さ4-5mm、先は鋭くとがる。 果実は倒卵形の蒴果で3-4個の種子が入っている。 葉の鋸歯が鋭くとがるものをトガクシコゴメグサというが、変異が連続的でどちらともつかないものも多い。 コゴメグサの仲間は高山だけでも本種のほかにコバノコゴメグサ、ホソバコゴメグサ、ヒナコゴメグサ、コケコゴメグサ、マルバコゴメグサなどがある。どれも外見は酷似しており、変異も多いので同定は難しい。 しかし、ある程度場所により棲み分けしているので、それからおおむね判断できる。例えば北アルプスではミヤマコゴメグサ、南アルプスや八ヶ岳ではコバノコゴメグサ、中央アルプス(木曽駒ヶ岳)ではコケコゴメグサであることが多い。マルバコゴメグサは飯豊山特産。 花期:7-9月 分布:本(東北地方中部~近畿地方以北の主に日本海側) 撮影:2008.8.3 長野県小谷村 |
萼裂片は4個とも同長。葉の上半部にややとがった鋸歯がある。 2008.8.3 長野県小谷村 苞や葉、萼裂片の先はとがる。茎や萼に腺毛はない。 2008.8.3 新潟県糸魚川市 |
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