ムカゴネコノメソウ

ムカゴネコノメソウ(ユキノシタ科)[零余子猫の目草]

花後に走出枝を伸ばし地中にむかごをつくるのでこの名がある。別名タマネコノメという。環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)だが、丹沢では早春の沢沿いで普通に見られる。

渓流の縁や湿った樹林下に生える多年草で、花茎の高さは3-15cmになる。花茎は前年に地中にできたむかごから出て、僅かに白毛があり緑白色で基部は赤紫色を帯びる。
茎葉は長さ0.3-1.5cmの柄があって2-3対がふつう対生し、ときに一部が互生する。葉身は長さ0.4-1.8cmの卵円形で、縁に1-3対の円い鋸歯がある。
茎頂にまばらに数個の花をつけ、葉とほぼ同形の苞がある。花には柄がある。花弁はなく、萼裂片は淡黄緑色で長さ約1.5mmの広卵形~卵円形、花時に直立する。雄しべは8個で長さ0.8-1mm、裂開直前の葯は緑白色または黄白色。花盤は発達しない。花柱は2個でごく短く、直立する。
花後に長い走出枝を伸ばし、先端に1個ずつむかごをつくる。むかごは長さ1cmほどの紡錘形で赤色を帯び、毛を密生し紫褐色の細点がある。走出枝は地中を走るものと一部地上を走るものがある。地中のものには鱗片葉を、地上のものには普通葉をつける。
果実は蒴果で2個の心皮は不同長で直立し、先端が萼外に突き出る。種子は長さ0.6mmの卵円形で多数。
花期:3-4月
分布:本(東北地方南部~東海地方の太平洋側)
撮影:2017.3.3 神奈川県逗子市
ムカゴネコノメソウの花
萼裂片は直立する。雄しべは8個。 2020.3.6 神奈川県逗子市

ムカゴネコノメソウ-2
葉はふつう対生する。 2020.3.6 神奈川県逗子市


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