ナニワズ(ジンチョウゲ科)[難波津] |
名に「難波津」の字が当てられることが多いが、由来はよく分かっていない。 多雪地の林下などに生える高さ0.5-1mの雌性両全性異株の落葉小低木。 まばらに枝をつけ、小枝の先端に長さ3-8cm、幅2-3cmの倒披針形の葉をまとめて互生する。葉の質は薄くて軟らか。先は円くややくぼみ、基部はくさび形、全縁で側脈は4-7対。 裏面はやや粉白を帯びる。葉柄はないかあってもごく短い。普通の植物とは違って、初夏に葉が枯れ始めて盛夏に落葉し、晩夏にまた新葉を展開するという変わった生活をする。 秋には蕾を準備し、雪解けとともに鮮やかな黄色の小さな花を枝先に多数咲かせる。ジンチョウゲ科の植物らしく、花にはとてもいい香りがある。花弁はなく、花弁状の萼は筒形で多肉、先は4裂し、裂片は萼筒と同長。雄しべは8個で萼筒の内側に4個ずつ上下2段につく。 雌花の葯には花粉がないので他の両性花の花粉で受精・結実する。両性花(機能的にはほぼ雄花)は低い確率ながら結実するという。 果実は長さ1.2cm、幅1cmほどの球形~楕円形の液果状の核果で、5-7月に赤熟する。核は種子1個を含む。 オニシバリは福島県以南の太平洋側に分布し、花は淡黄緑色。繊維が丈夫で鬼も縛れるほどだということで名付けられたが、ナニワズも同様に強じんな樹皮をもつ。 花期:4-5月 分布:北・本(福井県以北) 撮影:1999.4.24 青森県東通村 |
両性花。雄しべは8個で4個ずつ上下2段につく。花はオニシバリと違って黄色。 2008.4.6 青森市 雌花の葯は退化して花粉がない。 2008.4.5 青森県東通村 |
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