オオアブラギリ

オオアブラギリ(トウダイグサ科)[大油桐]

アブラギリに似ているが、花や果実が大きいのでこの名がある。別名シナアブラギリという。

暖地で植えられ、また野生化している中国原産の落葉高木で、高さ10-12mになる。樹皮は灰褐色で滑らか、縦筋が入り小さな皮目がある。枝は太く、初め緑色でのちに暗褐色になる。
葉は互生し、長さ10-20cmの卵形~広卵形で全縁で先はとがり基部は心形。ときに上部が3-5浅裂する。裏面全体に黄褐色の細毛がある。葉身基部表側に2個の無柄の腺がある。葉柄は長く、6-23cm。
花は雌雄同株。枝先に円錐花序を出し、白色の花をつける。雄花序に多数の雄花がつき、まれに雌花が混じる。雌花は少ない。萼は筒状で花時に2裂する。花弁は長さ3cmでふつう5個、基部に褐紫色の筋がある。雄しべはふつう10個あり、5個ずつ2列に並ぶ。内側の雄しべが長く、花糸の中部まで合着する。子房は楕円形、花柱は3個で先は2裂する。
果実は直径4-5cmの球形の堅果。果皮は厚く溝はなく、先端が急にとがる。10-11月に熟すが裂開しない。中に3-5個の種子がある。種子は長さ約2.5cm。

近似種のアブラギリとともに種子を搾った油はエレオステアリン酸を含む乾性油(空気中に置くとすぐ固まる油)で桐油(とうゆ)とよばれる。かつては灯火、油紙、和傘、雨合羽、提灯などに用いられ、その後ペイント、ニス、印刷用インクなどに使われた。有毒なので食用にはできない。材は軟らかく、下駄、木箱、家具の部分材などに使われる。木炭は漆器研磨に使われる。樹皮の浸出液はタンニンを多く含み、漁網の染料や革なめしに使われる。
アブラギリの最も分かりやすい違いは、堅果の先端がオオアブラギリのようにとがらず、溝も入らないこと。そのほか、葉身基部の2個の腺は有柄で裏面は無毛。
花期:5-6月
分布:帰化植物
撮影:2024.4.23 横浜市南区
オオアブラギリ-2
枝先の円錐花序白い5弁花をつける。 2024.4.23 横浜市南区

オオアブラギリ(雄花)
雄花。雄しべは内外2輪にふつう5個ずつつき、内側が長い。 2024.4.23 横浜市南区

オオアブラギリ(雌花)
雌花は少ない。子房は楕円形、花柱は3-5個で先は2裂する。 2024.4.23 横浜市南区

オオアブラギリの葉
葉は掌状脈があり、先はとがり基部は心形。ときに3-5浅裂する。 2024.4.23 横浜市南区

オオアブラギリの葉の腺
葉身基部に1対の無柄の腺がある。 2024.4.23 横浜市南区

オオアブラギリの果実
若い果実。先はつまんだようにとがる。 2024.7.5 横浜市南区

オオアブラギリの樹皮
樹皮は灰褐色で滑らか。 2024.4.23 横浜市南区

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