オゼコウホネ(スイレン科)[尾瀬河骨] |
名は尾瀬の池塘に多産するコウホネの意味だが、北海道や本州でも栗駒山、月山などの高層湿原に点々と分布する。環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 亜高山帯の池沼に水中に生える多年生の水草。泥中を横走する太い根茎があり、葉と花茎が互生する 葉は根生し、根茎の先のほうから出た長い葉柄があって、水上に突き出ずに水面に浮かび、長さ8-15cm、幅6-10cmの広楕円形で基部は心形、表面は光沢があり裏面中脈は有毛。沈水葉は短い葉柄があって薄い膜質の円心形で縁は波打つ。葉柄は中実。 花茎は中実で長く、水面より高くなり、直径2-3cmの黄色の花を1個つける。5個の花弁状のものは萼片で、長さ約2cmのほぼ円形で半開する。花弁は雄しべの変化したもので、黄色で多数あり萼片よりずっと小さく、長さ5-7mmの長方形~倒卵形。雄しべも多数あって黄色、長さ約1.2cm、葯は長さ約3mm。雌しべは8-18個(ふつう10個程度)の心皮がゆるく合生し、それぞれの心皮の柱頭部が放射状に並んで円形の柱頭盤になる。柱頭盤は直径約8mmで深紅色で歯牙がある。子房は上位。 果実は緑色の液果状で水中で熟し、萼片が宿存する。種子は長さ約3.5mmの卵形。 母種のネムロコウホネ(別名エゾコウホネ)はオゼコウホネとよく似るが、柱頭盤は黄色。雨竜沼に産し、果実が暗紅色のものをウリュウコウホネという。コウホネは柱頭盤は黄色で、葉は長卵形で水面より上に突き出る。 花期:7-8月 分布:北(空知・宗谷)・本(群馬県以北) 撮影:2024.5.15 神奈川県鎌倉市(栽培) |
柱頭盤が紅色になるのが特徴。 2024.5.15 神奈川県鎌倉市 葉は広楕円形で光沢があり、水面に浮かぶ。水中には円形の沈水葉がある。 2024.5.15 神奈川県鎌倉市 果実は緑色の液果状で萼片が宿存する。 2024.6.5 神奈川県鎌倉市 |
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