シバ

シバ(イネ科)[芝]

名は滋葉(しげは)の意、重葉(しは、しげりは)の意、細葉の意など、多数の説がある。庭や公園などで栽培され、野芝とよばれているのは本種。

日当たりのよい海岸や山野に生える多年草。茎は細い針金状で長く地上を匍匐してよく分枝し、節からひげ根を出してマット状に広がり、芝生となる。
葉は両面にまばらに長毛があって互生し、長さ5-10cm、幅2-5mmの線形でやや硬くて縁はざらつき、先はとがり基部の葉鞘口部に長毛がある。葉舌はない。
地上匐枝の節から高さ10-20cmの花茎を直立する。花序は長さ3-5cm、幅4-5mmの円柱状で、紫褐色の小穂をつける。小穂は長さ3-4mm、幅1.2-1.5mmの左右から扁平な卵形で、1小花からなる。雌性先熟で雌しべが先に苞穎の外に出て熟し、後に雄しべが熟す。第1苞穎は退化し、革質で紫色を帯びて光沢のある第2苞穎が強く内折して小花を包む。護穎は小さい。

日本で芝生としてよく使われるものにコウシュンシバ(恒春芝=Zoysia matrella.)、コウライシバ(高麗芝=Zoysia pacifica)がある。ゴルフ場のグリーンに使われるコウシュンシバは葉や小穂は細く、造園では「高麗芝」の名で使われる。コウライシバはコウシュンシバよりさらに葉が細くて軟らかく、内側に巻いて糸状になる。
オニシバは花序の一部が上の葉鞘に包まれる。小穂は長さ6-8mm。
花期:5-6月
分布:日本全土
撮影:2011.6.5 秋田県男鹿市
シバ-2
海岸の草地に自生していたもの。小穂は紫色を帯びた第2苞穎、護穎と1個の小花からなる。 2011.6.5 秋田県男鹿市

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