シロヤマブキ(バラ科)[白山吹] |
名は、白い花をつけ別属(ヤマブキ属)のヤマブキと似ていることからついたもの。本種をヤマブキの白花品と思っている人も多いようだが、ヤマブキの白花品はシロバナヤマブキといって別物。 石灰岩地の落葉広葉樹林内の岩場や林縁にごくまれに生え、高さ1-2mになる落葉低木。しばしば公園や庭で栽培されるので珍しくはないが、本来の自生地は局限されていて希少。環境省レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類(EN)。 幹は叢生して枝を分け、下部は灰黒色で太さ0.8-2cmで横に楕円形の皮目が多い。新枝は緑色で初め白色の毛があるが後に無毛。 葉はバラ科では珍しく対生し、長さ5-10cm、幅2-5cmの卵形で、縁に鋭い重鋸歯があり、基部は円形~やや心形で先は鋭くとがる。表面は初め毛があるが後に無毛で脈がくぼみ、裏面は白毛が多く脈が突出する。葉柄は長さ2-8mmで有毛。托葉は長さ3-4mmの線形で有毛。秋には黄葉する。 葉の展開と同時~やや遅れて本年枝の先に直径3-4cmの白い花が1個咲く。萼片は4個、長さ1-1.5cmの狭卵形で葉状、白毛が密生する。萼片の間に長さ4mmの針状の副萼片がある。花弁も4個で円形、平開する。雄しべは長さ3-4mmで多数。花床に密に毛がある。子房は無毛で花柱は長さ6mmで4個。 果実は長さ7mmの扁円形で光沢のある痩果で、よく実って9-10月に黒熟し、翌年まで落ちずに残る。ふつう4個が固まってつく。 ヤマブキは葉が互生し、花弁が黄色で5個あること、果実は熟しても茶褐色なので区別は簡単。 花期:4-5月 分布:本(福井・島根・岡山・広島県)・四(香川県) 撮影:2019.4.2 横浜市中区(植栽) |
ヤマブキと違い、花弁は4個。 2004.5.9 仙台市太白区 葉に深いしわがあってよく目立つ。 2021.3.26 横浜市中区 大きな宿存萼に包まれた若い果実。後に褐色になり、さらに黒色に熟す。 2020.5.12 横浜市中区 果実は黒く熟し、ふつう4個が固まってつく。 2021.10.14 横浜市中区 樹皮。幹の下部は灰黒色で横に楕円形の皮目が多い。 2024.4.10 横浜市戸塚区 |
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