スナビキソウ

スナビキソウ(ムラサキ科)[砂引草]

砂の中に根茎を伸ばして殖えることからこの名がある。別名ハマムラサキという。
アサギマダラはスナビキソウが好きなようで、春に南西諸島などで羽化し、海岸に咲くこの花をたどるように北に向かって旅をする。この花に寄ってくるアサギマダラはほとんどがオスだといわれていて、オスの成熟や繁殖に関係する物質が何か含まれているのかもしれない。

海岸の砂地、砂礫地や岩上に生え、茎葉分枝し高さ20-40cmになる多年草。茎は稜があって密に伏毛が生え、下部は地をはい上部は斜上する。名前の由来となったように、地中に長い根茎を引いて繁殖する。
葉は密に互生し、長さ3-8cm、幅1-3cmの倒披針形~長楕円状披針形で鈍頭、基部は細くなって無柄で茎につく。厚くて両面に伏毛がある。
茎の先に短い巻散花序を出して香りのよい白い花を咲かせる。蕾はらせん状にねじれる。萼は5中裂。花冠は直径約0.7-1cmで通常5裂して平開し、筒部は長さ6-7mm、喉部は緑色を帯びた黄色で鱗片はなく、花の盛りが過ぎると縁が赤くなる。花冠外面に伏毛が多い。雄しべは5個で花筒につく。子房は上位で分裂せず、花柱は子房の先につく。
果実は1個で、長さ0.8-1cmの4稜形でコルク質の核果。中に4個の核があり、海水に浮いて散布する。
花期:5-8月
分布:北・本・四・九
撮影:2006.7.9 秋田県男鹿市
スナビキソウ-2
花の中心は緑色を帯びた黄色。花には芳香がある。 2011.6.5 秋田県男鹿市

スナビキソウの葉
葉は密に互生し、厚くて両面に伏毛がある。 2004.6.13 青森県三厩村


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