ショウキラン(ラン科)[鍾馗蘭] |
名の由来について牧野富太郎は、なぜこの花に悪鬼を退治する鍾馗の名をつけたのか分からないと言っているが、一説には花の形を烏帽子をかぶった鍾馗に見立てたものといわれている。 山地の樹林下やチシマザサなどの笹原に生え、高さ10-25cmになる葉緑素をもたない多年生の菌従属栄養植物。 根茎は黄褐色で太く、地をはって分枝し、全体に突起があり鱗片葉の跡が輪状につく。 茎は太く肉質で、乳白色にやや紅紫色を帯び無毛、直立して半円形で円頭の鱗片葉をまばらにつける。 花柄は長く、先に1-7個の淡紅紫色の花を横向きにつける。苞は鱗片状、長さ6-8mmの卵形で開出する。花の直径は3cmほど。萼片は紅紫色の縦筋が入って平開し、長さ2cm、幅1cmの広楕円形で鈍頭、側花弁は萼片より少し短く、2個が接して唇弁を被う。唇弁は下垂せず白い袋状で萼片と同長、中央に幅広い細突起がある条があり、ここに紫色の斑点がある。距は長さ1.2cmの長楕円形で前方に突き出、淡黄色で開口部に黄色の長毛がある。蕊柱は腹面がくぼんだ半円柱状。 長野県南部に分布するシナノショウキランは、花が淡黄色。本州(関東地方~紀伊半島)以西に分布するキバナノショウキランは5-15花がつき、花色は黄褐色、萼片があまり開かず、唇弁の内側に毛が密生する。 花期:7-8月 分布:北(西南部)・本・四・九 撮影:1999.7.23 長野県小谷村 |
花は淡紅紫色で萼片はよく開く。 1999.7.23 長野県小谷村 |
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