タイトゴメ(ベンケイソウ科)[大唐米] |
名は、インドシナ半島から渡来した粗悪な外米を大唐米(たいとうまい)といい、それが転訛したものだという。葉形が米粒に似ていることからの命名。 海岸の岩場や砂地に生える多年草。茎は肉質で長くはってよく分枝し、先は側枝とともに斜上~直立して密に葉をつける。花をつける茎と葉だけの茎がある。根茎はない。 葉は無柄で枝の上部に密に互生し、長さ3-7mm、幅2-3.5mmの円柱状長楕円形~円柱状倒卵形で円頭、ごく短い距がある。肉質で、花をつけない茎につく葉はしばしば赤みを帯びる。 側生する高さ5-12cmの花枝に濃黄色で直径1cmほどの花を集散状に3-10個つける。主茎の先には花をつけない。花序の枝はごく短い。萼片は離生し、肉質で長さ3-4mmの線形~広線形で円頭、ごく短い距があり、花時には斜上する。花弁は長さ4-5mmの披針形~広披針形で鋭くとがり、花時には平開する。雄しべは10個で花弁より短い。裂開直前の葯は濃黄色。雌しべの基部にある蜜腺は4角形で長さ0.5mm、乳白色。雌しべは長さ3-4mm、子房は2-3mmで基部が僅かに合生する。花柱は長さ約0.5mmで短い。各心皮は果時に腹側が膨れ、斜開~平開する。 花序をつくらずに花が単生するものをコゴメマンネングサといい、屋久島以南の海岸岩上に生える。メノマンネングサは花が主茎の先にだけつき、側枝にはつかない。葉は長さ1cm以上と長い。ふつう内陸に分布するが、海岸に生えるものもあり、タイトゴメと誤認されやすい。オカタイトゴメは全体に小型で内陸にも生え、葉に粒状の突起がある。 花期:5-7月 分布:本(太平洋側は福島県以南、日本海側は京都府以西)・四・九 撮影:2016.6.30 神奈川県横須賀市 |
花は5数性で花弁、萼片は5個。雄しべは10個。 2018.7.27 神奈川県横須賀市 心皮は腹側が膨れ、斜開~平開する。 2018.7.27 神奈川県横須賀市 無花枝はしばしば赤みを帯びる。 2008.5.1 神奈川県横須賀市 |
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