タマガヤツリ

タマガヤツリ(カヤツリグサ科)[玉蚊帳吊]

名は花穂が球形になることからついた。

田のあぜ、浅い沼沢地など湿ったところに生える軟らかい1年草で、高さ15-40cmになる。茎は叢生して太く、断面は3稜形。
葉は株元から出て茎より低く、幅3-5mmの線形。
茎の先に花序より著しく長い2-3個の苞をつけ、その中心から不同長の短い花序の枝を数本立て、密に小穂が集まった直径0.8-1.5cmの球形の花穂を散形状につける。小穂は初め淡緑色で後に暗紫褐色を帯び、長さ0.3-1cm、幅1mmの楕円形で10-20個の小花をつける。鱗片は長さ0.5-0.7mmの倒卵円形で全縁、上端が少しへこみ、中肋は淡緑色で縁は暗紫褐色。
果実は長さ約0.6mm、幅0.3mmの狭倒卵形で3稜があり鱗片とほぼ同長、花柱は果体の1/2、柱頭は3岐、雄しべは2個。

よく似たヒメクグは、球形の花穂を1個だけつける。
花期:8-10月
分布:日本全土
撮影:2004.8.1 岩手県山形村
タマガヤツリ-2
不同長の短い花序の枝を数本立て、密に小穂が集まった球形の花穂を散形状につける。 2015.8.8 埼玉県吉見町

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