タニソバ

タニソバ(タデ科)[谷蕎麦]

名は谷沿いに生えるソバの意。

山野の湿った日陰のほか、道端や田のあぜや畑にも生え、高さ10-40cmになる1年草。茎は無毛でやや赤みを帯びることが多く、直立または斜上してよく枝を分け、茎の下部の節から根を出して横に広がる。
葉は互生し、長さ2-5cm、幅15-3cmの卵状3角形で全縁、先は鋭くとがり基部は急に狭まり耳状に広がった翼のある葉柄となって茎を抱き、茎とともに秋には真っ赤に紅葉する。質は薄く、表面は無毛で裏面に毛と濃緑色の腺点がある。托葉鞘は短い筒形で、基部にしばしば太くて軟らかい下向きの毛が生える。
葉腋や茎頂の総状花序に多数の小さな花が頭状に集まってつく。花柄には腺毛がある。花被は長さ2.5-3mmの広い筒状で4裂し、僅かに紅色を帯びた白色または緑色。雄しべは6-7個。花柱は2裂する。
果実は、膨れた花被に包まれた長さ約1.5mmの広卵形の痩果。褐色に熟し、両面が膨れ、光沢はなく小さなこぶ状突起がある。

よく似たツルソバは海岸に生え、つる性で葉柄に翼はない。
花期:8-10月
分布:北・本・四・九
撮影:2004.9.5 岩手県松尾村
タニソバ-2
茎は無毛で赤みを帯びる。 2004.9.5 岩手県松尾村

タニソバの葉
葉柄は耳状に茎を抱く。  2004.9.5 岩手県松尾村

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