ツルボ(クサスギカズラ科)[蔓穂] |
名の由来は不明であるが、深津正は、鱗茎の外皮を取り去ったあとの中身が白くつるつるしているところから、つるつる坊主→つるぼう→つるぼになったと推測している(植物和名の語源探究:八坂書房)。別名をサンダイガサ(参内傘)といい、こちらは花序を公家が参内するときの柄の長い傘にたとえたもの。 日当たりのよい河川敷や海岸草地などに群生する多年草。地下にある鱗茎は長さ2-3cmの卵球形で外皮は黒褐色。 春に葉を出して夏にいったん枯れ、初秋に花茎とともに再び葉を出す。葉は厚く軟らかく、1-3個(ふつう2個)が根生し、長さ15-25cm、幅4-6mmの線形~線状倒披針形で表面は浅くくぼむ。 葉の間から20-50cmの花茎を出し、長さ7-12cmの円柱状総状花序に直径0.8-1cmの淡紅紫色の花を多数つけ、下から上に向かって咲き上がる。花被片は6個で平開し、長さ3-4mmの狭長楕円形~倒披針形。雄しべは6個、花被片と同長で花糸は糸状だが下部はやや広がり縁に短毛がある。子房は長さ2-3mm、縦に3稜があり、稜角に短毛がある。花柱は1個で長さ1.5-2mm。 果実は長さ4-5mmの倒卵形の蒴果で熟すと縦に裂ける。種子は長さ4mmの広披針形で黒色。 鱗茎は有毒だが、かつては飢饉の際の救荒植物として利用したらしい。 白い花をつけるものをシロバナツルボという。 花期:8-9月 分布:日本全土 撮影:2019.9.5 神奈川県平塚市 |
2014.9.17 横浜市中区 花糸も花柱も紅紫色。 2017.9.7 神奈川県横須賀市 果実は倒卵形の蒴果。 2019.9.26 横浜市戸塚区 葉は春に出て夏にいったん枯れるが、初秋に花茎とともに再び伸び出す。 2019.9.13 横浜市中区 |
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