ツルカノコソウ(スイカズラ科)[蔓鹿子草] |
カノコソウに似ていて、つる(走出枝)を伸ばして殖えることからこの名がある。カノコソウの名は、上から見た蕾を鹿子絞りに見立てたもの。 山地や丘陵地の湿った日陰に群生する多年草。茎は軟弱で中空、直立して高さ20-40cmになる。神奈川県では少し自然度が高い湿ったところにごく普通に見られるが、北限地の青森県ではごくまれにしか見られない。カノコソウやオミナエシに近いものだと説明しても、どちらも見たことがないという人も多く、花期も違うのでピンと来ないようだ。 花が盛りを過ぎる頃、細い走出枝を四方に伸ばし、先に新苗をつくって殖える。新苗が活着すると走出枝自体は枯れる。 茎葉は対生し、羽状複葉で小葉は1-3対ほど。小葉には波状の鋸歯がある。走出枝につく葉は分裂しない。 茎頂に散房花序をつけ、長さ幅とも2-3mmの白い小花を密につける。苞は線形。花冠はときに僅かに赤みを帯び、漏斗形で先が5裂して平開する。萼は花時には歯が内に巻いて小さいが、花後に伸びて冠毛状の刺毛となる。雄しべは3個で花冠から突き出ない。雌しべは1個で柱頭は3裂する。 果実は長さ2-2.5mmの扁平な狭卵形の痩果で、背面に1脈、前面に3脈がある。タンポポに似て白色の羽毛状になる長さ6mmほどの萼歯が伸びてできた冠毛があり、種子は風に乗って運ばれる。 花期:4-5月 分布:本・四・九 撮影:2021.4.7 神奈川県藤沢市 |
花は白色または僅かに赤みを帯びる。雄しべは花冠から突き出ない。 2017.4.3 神奈川県横須賀市 葉は1-4対の羽状複葉で裂片の鋸歯は波状。 2022.4.8 横浜市栄区 |
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