ワダソウ(ナデシコ科)[和田草] |
名は長野県筑摩山系の旧中山道和田峠に由来する。上部の2対の葉が接近して仮輪生状になるのでヨツバハコベの別名がある。 山地の落葉樹林下や林縁に生える小型の多年草で、茎は分枝せずに直立して2列の縮毛が生え、高さ5-20cmになる。根は主根が紡錘状に肥厚し、細い枝根を出す。 葉は対生し、下部の葉は倒披針形~線状へら形。上部の2対の葉は接近して輪生状につき、長さ3-6cm、幅0.8-2cmの広卵形~菱状卵形で縁は波状。葉は薄く、裏面脈上に毛がある。 頂部から短毛のある長さ1-2cmの細い柄を出し、直径1.5-2cmの白色の花を1-5個上向きに開く。萼片は5個、長さ4-6mmの披針形で先はとがり、背面に軟毛がある。花弁は5個、長さ7-8mmの倒卵形で先はややへこむ。雄しべは10個で裂開前の紅色の葯がよく目立つ。花柱は2-3個。茎の下部に花弁のない閉鎖花が少し出る。 果実は直径5-6mmの卵球形の蒴果で5裂する。種子は長さ1.5mmの扁円形~腎円形、褐色でいぼ状突起がある。 同属のヒゲネワチガイソウは花柄が無毛。花は1個で花弁はワダソウより狭く、先はへこますにとがる。 花期:4-5月 分布:本(岩手県南部~中部地方)・九(北部) 撮影:2021.4.8 東京都八王子市 |
花弁の先がへこむのが特徴。萼片の背面に軟毛があり、花柄にも短毛がある。 2021.4.8 東京都八王子市 裂開前の葯は紅色。 2023.4.10 東京都八王子市 上部の葉は広卵形。 2021.4.8 東京都八王子市 葉の裏面脈上に曲がった毛がある。 2021.4.8 東京都八王子市 果実は卵球形の蒴果で5裂する。 2022.4.21 東京都八王子市 |
ヒゲネワチガイソウに戻る |
検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。 |