ヤブツルアズキ(マメ科)[薮蔓小豆] |
川岸の草地などに生えるつる性の1年草で、茎は長さ3m以上に達し、黄褐色の開出する長毛が目立ち、他物にZ巻き(上から見て反時計回り)に巻きつく。北限の青森県では日本海側に希産する。 葉は互生し、羽状の3小葉で両面に黄褐色の長毛がある。小葉は長さ3-10cm、幅2-8cmの狭卵形~卵形で全縁またはやや3裂し、先端は急に鋭くとがる。 葉腋から総状花序を出し、蝶形花を2-12個つける。小苞は狭卵形、舟形で萼より2倍ほど長い。萼に5裂片があり、裂片は広3角形で萼筒より著しく短い。花は淡黄色で長さ幅とも1.5-1.8cm、翼弁は左右不同で右側のものは1/2~3/4回転する竜骨弁を抱き、左側のものは左側に突き出た竜骨弁の距に内側から押し広げられて平開する。雄しべは2体。花柱の先端は嘴状に伸長する。 豆果は無毛、長さ4-9cm、幅4mmの湾曲した線形で垂れ下がってつく。6-14種子を入れ、黒緑褐色に熟して2片に裂開する。種子は長さ3-5.5mm、幅2-4mm、厚さ2-3.5mmの楕円形で緑褐色~暗紫褐色。へそは線形で、仮種皮は厚くならずほぼ平坦。 奄美、沖縄に生えるオオヤブツルアズキは全体にやや大きく、小葉は3角状卵形で基部より少し上方が最も幅広く、先に向かって次第に細まる。小苞は披針形でやや短く、萼とほぼ同長、種子のへそは楕円形。 畑で栽培するアズキはヤブツルアズキが原種と考えられており、茎は直立してつる状にならない。種子は大きい。逆にヤブツルアズキが野生化したものがアズキだと考える説もある。 花がよく似たノアズキは小葉が長さ1-3cmと小さく、裏面に赤褐色の腺点があり、豆果は長さ4-5cmで扁平。 花期:8-10月 分布:本・四・九 撮影:2017.9.29 神奈川県横須賀市 |
竜骨弁がねじれた不思議な形の蝶形花。 2021.9.16 神奈川県茅ヶ崎市 小葉、特に頂小葉は浅く3裂するものが多い。 2019.9.17 神奈川県茅ヶ崎市 小葉が細めのもの。 2020.10.5 神奈川県茅ヶ崎市 豆果は湾曲して垂れ下がる。 2017.11.1 神奈川県横須賀市 2片に裂開したもの。種子が残っている。 2017.11.1 神奈川県横須賀市 |
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