ユキツバキ(ツバキ科)[雪椿] |
雪が多い地域に生えることからこの名がある。枝が地面をはうように伸びるので別名ハイツバキという。オクツバキの別名もある。 ヤブツバキが多雪に適応して変化したものとされている。新潟県では県の木とされている。 多雪地の標高300-1,000mの山地のブナ林内などに生える常緑低木。細くしなやかな枝が根元からよく分枝して高さ1-2mになる。ふつう高さはその地の積雪高より低く、樹形は半球状になる。 樹皮は灰白色で細かいしわが多く、本年枝は淡褐色。しばしば地についた枝から発根する。 葉は互生し、強い光沢があってヤブツバキより薄く、透かしてみるとはっきりと網状脈が見える。長さ5-10cm、幅3-5cmの長楕円形~倒卵状長楕円形で先は細くなりとがる。表面は明るい深緑色、裏面は淡緑色で両面とも無毛、鋸歯はヤブツバキより鋭くとがる。葉柄は白毛があり長さ0.3-1.2cmとヤブツバキより短い。 枝先の葉腋に赤い花をつけ、花弁は長さ2.5-4cmで5個あり、ヤブツバキより細く平開する。質はやや薄く先は浅く2裂する。雄しべは花糸が鮮黄色で短く、基部のみ僅かに合着して先は開出する。葯は濃紅色。花柱は2-5裂する。 果実はごくまれに結実し、ヤブツバキより小型で直径2.5cmの球形の蒴果。果皮は厚く、熟すと裂開して1-2個の種子を出す。種子は淡褐色でヤブツバキより大きい。 ヤブツバキと分布域が接近する地域では、ヤブツバキとの雑種と考えられるユキバタツバキが見られ、両者の中間的な性質を示す。 花期:4-6月 分布:本(岩手、秋田県以南~北陸地方) 撮影:2009.5.10 秋田県横手市 |
多雪地のブナ林内などに生える。 2009.5.10 秋田県横手市 花糸は黄色で広がり、花弁は細めでやや平らに開くのが特徴。ヤブツバキの花糸は白色で中ほどまで筒状に合着する。 2009.5.10 秋田県横手市 葉はヤブツバキより薄い。 2009.5.10 秋田県横手市 葉を日にかざすと網状脈まではっきり見える。 2009.5.10 秋田県横手市 |
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