ユウシュンラン(ラン科)[祐舜蘭] |
名は秋田県増田町(現在は横手市の一部)出身の植物学者である工藤祐舜の功績をたたえてつけられたもの。ユウシュンランの学名(Cephalanthera subaphylla )には、原命名者に宮部金吾と工藤祐舜の名が連名で付いており、いつの時代に名付けられたのかははっきりしないが、中学時代にはすでに宮部に標本を送っていたということからみると、案外早い時期なのかもしれない。 全国的に見れば個体数は少なく、環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)とされているが、北海道や東北地方北部では林下の道沿いで結構よく目にする。 かつてギンランの変種とされていた多年草で、落葉広葉樹林下のやや湿った腐葉土に生える。他のキンラン属の植物と同様に部分的菌従属栄養植物であるが、葉の形態を見ると完全な菌従属栄養に移行中と思われる。茎は無毛で細く平滑、直立して高さは10-15cmと小さい。 葉は中部の1個だけが長さ1-2cmと大きく、そのほかは退化して鱗片状になる。花柄の基部に1-2個の苞葉がある。 花はあまり開かず白色で長さ1cm、上向きに2-7個咲く。花被は互いに少し隙間がある。萼片は披針形。唇弁の距は上唇と下唇に分かれ、下唇の距は長さ3-4mmと長く、顕著に前に突き出る。上唇の先は3裂し、中裂片に茶褐色の斑紋と3個の隆起条がある。下の画像の花の色を見ると盛りを過ぎて傷んできたように見えるが、これで盛りの状態。 ギンランは高さ20-40cmになり、葉は3-6個、唇弁の隆起条は5個ほどある。 花期:4-6月 分布:北・本・四・九 撮影:2002.5.12 岩手県宮古市 |
花つきのよいもの。 2008.5.17 青森市 |
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