アカメガシワ(トウダイグサ科)[赤芽槲] |
名は新芽が赤く、葉が大きいのでカシワと同様に食物を載せるのに使ったことからついたもの。別名をゴサイバ(五菜葉・御菜葉)というが、これも大きな葉を利用して食物を載せたことから。 庭の隅や道端にもよく生え、パイオニア(先駆)植物といえば聞こえはいいが、生長が速く、放置しておくと手がつけられなくなるので早々と伐採の対象となる。交通量の多い道路と歩道の境に伸び出しているのをよく見かけるが、クルマにも人にも邪魔になるので早々に刈り取られる。 葉や樹皮、種子は薬用、染料などに使われる。材は器具材や薪炭として利用。 伐採地などの明るい山野にごく普通に生える雌雄異株の落葉高木で、高さ3-15mになる。 樹皮は灰白褐色で縦に細かく浅い割れ目が入る。若枝や冬芽、葉、花序軸に星状毛が密生する。冬芽は裸芽で淡褐色の星状毛に被われる。 葉は互生し、葉柄は長さ5-20cm、赤色を帯び褐色の星状毛がある。葉身は長さ8-20cm、幅5-14cmの卵形~広卵形で先はとがり基部は切形~円形で1対の蜜腺があり、基部から伸びた3個の葉脈が目立つ。両面に星状毛があり、裏面には黄褐色の腺点が密にある。成木の葉の縁は全縁で、若木の葉はしばしば浅く2-3裂し、波状の鋸歯がある。 葉の伸び始めは星状毛が密生して鮮やかな紅色を呈し、晩秋には黄葉する。 枝先に7-20cmの円錐花序を出し、雄花は苞の腋に数個ずつつき、多数の小花をつける。花弁はなく、雄花は3-4裂した萼と淡黄色の多数の雄しべがあり、花糸は長さ3mm。雌花は苞の腋に1個ずつつき、2-3裂した萼と3-4個の紅色または淡黄色の花柱がある。花柱には黄色の乳頭状突起が密生し、反り返る。子房は刺状の突起があり、紅色の星状毛と白い腺点に被われる。 果実は直径8mmの扁球形の蒴果で、果皮に刺状の軟らかい突起が密生し、熟すと3-4裂して直径4mmの扁球形で黒色の種子を出す。種子は光沢がある。 シラキやナンキンハゼは雌雄同株で花序の上部に雄花、基部に雌花がつく。 花期:5-7月 分布:本(宮城・秋田県以南)・四・九・沖 撮影:2015.6.10 横浜市南区 |
名の由来となった赤くてよく目立つ新芽。 2017.4.10 神奈川県横須賀市 雄花。花弁はなく多数の雄しべがある。 2018.6.5 横浜市栄区 雌花。 2016.6.17 神奈川県横須賀市 雌花。花柱は3-4個。黄色の乳頭状突起が密生する。 2018.6.5 横浜市栄区 花柱が鮮やかな紅紫色のもの。 2018.6.22 神奈川県三浦市 若木の葉はしばしば2-3浅裂する。 2015.6.10 横浜市南区 果実には刺状の軟らかい突起が密生する。 2016.7.1 神奈川県逗子市 果実が熟すと裂けて黒い種子を出す。 2018.8.31 神奈川県三浦市 樹皮は灰白褐色で縦に細かく浅い割れ目が入る。 2021.3.19 横浜市南区 |
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