アキカラマツ(キンポウゲ科)[秋唐松] |
名は、秋に咲くカラマツソウの意だが、早いものでは6月から咲き出し、晩夏まで咲くまさに夏の花。 日当たりのよい山野の草地に生える無毛の多年草で、茎は直立して上部で盛んに分枝し、高さ0.7-1.5mになる。 茎葉は互生し2-4回3出複葉で、小葉は長さ1-3.5cm、幅0.8-2cmの円形~楕円形、基部は円く先が浅く3裂ときに5裂する。裏面は粉白色。 茎の先の大型の円錐花序に、淡黄白色で直径0.8-1cmの花を多数つける。花弁はなく、花弁状の萼は長さ約4mmの楕円形、3-4個あるが開花後まもなく落ち、多数ある雄しべの葯が淡黄色で花序は遠くからでもよく目立つ。葯は長さ2mm、花糸は長さ5mmの糸状で葯より細い。雌しべは1-4個で花柱はほとんどなく、子房に柱頭がほぼ直接につく。 果柄は長さ1cm以下で、果実は長さ3-4mmの狭卵形の痩果で1-4個つく。痩果には翼状に隆起した稜が8本ある。 長野県上伊那郡高遠町(現在は新設合併で伊那市となる)では、古くからこの草をタカトウグサといって薬草として用いてきた。開花期に地上部を採取して日干ししたものを、煎じて下痢止め、腹痛などに用いる。ただし、多量に飲むと血圧低下や神経麻痺を起こすことがある。 高山に生えるオオカラマツに似ているが、オオカラマツは花のつき方がまばらで、果柄が長く、1-5cmある。イワカラマツは岩場に生える絶滅危惧種で全体に腺毛がある。妙義山塊に生えるミョウギカラマツは、小葉の裏面が著しい白色となる。 花期:6-9月 分布:北・本・四・九 撮影:2004.8.7 仙台市青葉区 |
秋の名がつくが真夏の花。早いものは6月初旬から咲き出す。 2017.8.4 神奈川県三浦市 開花直後はまだ花弁状の萼が残っている。 2016.8.25 横浜市戸塚区 葯は花糸上部より太い。 2020.6.10 神奈川県大磯町 葉は2-4回3出複葉で小葉の先は3裂する。 2019.7.8 横浜市戸塚区 |
オオカラマツに戻る カラマツソウに戻る イワカラマツに戻る |
検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。 |