アレチノギク

アレチノギク(キク科)[荒地野菊]

名は、荒れ地に生える野菊の意。

南アメリカ原産の1年草~越年草で、茎は高さ30-50cmで主軸が止まり、枝が叉状に伸びる。明治時代中期に渡来して大正~昭和初期に急激に広がったが、オオアレチノギクヒメムカシヨモギなどに押されて最近は少ない。しかし、一時よりは増えてきているような気もする。畑地や都会の空き地に生えるが、なぜかアスファルトやコンクリートの割れ目に根付いているものしか見たことがない。
夏~秋に芽出ししてロゼットで越冬するものが多い。茎や葉の全体に灰白色の軟毛が密生し、開花すると主軸の生長が止まり、2-3個の側枝が茎より高く伸び出すのが特徴。
葉は多数あって密に互生し、下部の葉は倒披針形で羽状に中~深裂し、茎葉は無柄で長さ5-13cm、幅0.5-2cmの線形、鋸歯はほとんどなくてしばしば波打ち、先はとがる。
主軸の先や側枝に円錐花序をつくる。頭花はオオアレチノギクより大きく、白緑色で直径約5mm。総苞は長さ5-6mmの広楕円形~卵形。総苞片は線形~披針形、長軟毛が生える。筒状花は15-40個、舌状花は数百個あるが総苞に隠れてほとんど目立たない。主軸の花が先に咲き、側枝の花はそれ以後に咲き出す。側枝の花は咲かずに枯れることが多い。
痩果はやや扁平な円柱形。冠毛は白色で後に淡褐色になる。
花期:5-11月
分布:帰化植物
撮影:2016.6.17 神奈川県横須賀市
アレチノギク-2
舌状花は総苞に隠れてほとんど見えない。 2016.6.17 神奈川県横須賀市

アレチノギクの果実
果実は球形の塊となるのがよい特徴。 2016.7.25 神奈川県横須賀市

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