アゼナ(アゼナ科)[畦菜] |
名は田のあぜによく生えることからついたもの。「菜」とつくからにはかつて食用とされたのかもしれないが、現在では食べるという話は聞かない。 新エングラー分類体系ではゴマノハグサ科であったが、APGⅡではオオバコ科、APGⅢでは分離してアゼナ科(アゼトウガラシ科ともいう)となった。 水田や湿地に普通に生える1年草で、茎は4稜形で根元からよく分枝して直立し、高さ10-20cmになる。 葉は光沢と厚みがあって十字対生し、長さ1.5-3cm、幅0.5-1.2cmの卵円形~楕円形、全縁で無柄。3-5個のはっきりした平行脈がある。 上部で対生する葉の両側の葉腋からそれぞれ細長い花柄を出し、長さ5-6mmで淡紅紫色~白色の唇形花を1個ずつつける。萼は鐘形で基部付近まで5深裂し、裂片は線状披針形。上唇は小さな卵形で2浅裂、下唇は大きく3深裂する。雄しべは4個で下側の2個が長く、基部に突起がある。花柱は2片に分かれ、内側に柱頭がある。開放花の開花より前に閉鎖花もつける。 果実は長さ2-4mm、幅2-3mmの卵状球形の蒴果で先は丸い。種子は小さく、表面は平滑で網目模様がある。 戦後、アゼナに似ているが、葉に鋸歯があり、4個の雄しべのうち2個が葯のない仮雄しべになっているアメリカアゼナとよばれる帰化種が多く見られるようになった。これには葉の基部が葉柄状に細くなる系統(Cタイプ)と基部が円く茎を抱く系統(Rタイプ)が知られ、前者は(狭義の)アメリカアゼナ、後者はタケトアゼナとよばれている。蒴果はどちらも先がとがる。 花期:8-10月 分布:北・本・四・九 撮影:2004.8.8 宮城県古川市 |
湿地に生えていたもの。葉は全縁。 2015.8.8 埼玉県吉見町 水田雑草であり、根元が完全に水につかっているものも多い。 2019.8.5 神奈川県茅ヶ崎市 花は庭や畑に生えるウリクサによく似ている。 2019.8.5 神奈川県茅ヶ崎市 |
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