ウリクサ(アゼナ科)[瓜草] |
名は、果実の形がマクワウリに似ていることによる。アゼナ属は旧分類体系ではゴマノハグサ科であったが、APGⅡではオオバコ科、APGⅢでは独立したアゼナ科(アゼトウガラシ科)とされた。 分布を日本全土としている図鑑が多いが、東北地方北部(秋田県にはある)、おそらく北海道でも見られない。関東地方に移り住んでからもしばらくその存在に気がつかなかったが、一度知ってしまうとあちこちで普通に目に入るようになった。畑の隅でしばしばトキワハゼと一緒に生えていて、それよりずっと小さな花をつけている。トキワハゼはほぼ年中花をつけているが、ウリクサは関東地方南部では9月中下旬からがピークか。 やや湿り気がある庭や畑、道端に生える1年草。茎は4稜があり、基部で盛んに枝を分けて地をはって広がり、長さ10-20cmになる。 葉は柄があって対生し、長さ1-2cm、幅0.6-1.3cmの卵形~広卵形で縁に粗い鋸歯があり、先は鈍形、基部は円形~くさび形。両面とも無毛で、日当たりのよいところではしばしば茎とともに紫色を帯びる。 上部の葉腋から長さ1-2cmの細い花柄を伸ばし、淡紫色で長さ約0.7-1cmの花を1個つける。萼は長さ4-5mmの筒形で縦に走る5本の高い稜があり、先は浅く5裂して裂片は鋭頭。花冠は萼の2倍長で先は唇形。上唇は卵形で2浅裂、下唇は3深裂する。雄しべは4個で全て完全、下側の花糸の基部に棒状の突起がある。子房は無毛、花柱は上下に扁平な2片に分かれ、内面に柱頭がある。 果実は長さ4-5mmの楕円形の蒴果でほぼ同長の萼に包まれ、胞間裂開する。種子は小さく、表面に網目模様があり小さな穴が多い。 花期:8-10月 分布:本(宮城・秋田県以南)・四・九・沖 撮影:2016.9.6 神奈川県横須賀市 |
小さな花が勝手な向きに咲く。 2019.9.26 横浜市戸塚区 見逃しやすい花だが、このぐらい咲いていると目に入ってくる。 2019.9.26 横浜市戸塚区 花冠は2唇形で下唇中央裂片の基部に青い帯状の模様がある。 2016.9.6 神奈川県横須賀市 萼に5本の稜が走る。 2016.10.14 静岡市清水区 葉は対生し、粗い鋸歯がある。 2019.9.17 神奈川県茅ヶ崎市 |
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