ドクゼリ(セリ科)[毒芹] |
セリに似ているが有毒なのでこの名がある。トリカブト類やドクウツギとともに日本産では最強の猛毒植物。 小川や池沼、湿地に生える茎が中空の多年草。茎は条がある円柱形で直立し、上部で枝を分け高さ0.6-1mになる。全体無毛で灰白色を帯びる。山間の湿地で一面に群生していることもある。 タケノコに似た緑色で太くて節の詰まった根茎が水中の泥中にあるかまたは水面に浮かぶ。ふつうセリより水深のあるところに生え、花期であればセリと間違うことはないが、若芽のときはよく似ていてセリ摘みのときに紛れ込むことがあるので注意が必要。シクトキシンなどの毒成分が多く含まれ、乾燥や加熱でも毒成分は分解されず、誤って食べると中枢神経に作用して呼吸困難から死に至る。毒成分は皮膚からも吸収されるという。 葉は柄があって2-3回羽状複葉で、終裂片は長さ3-8cm、幅は0.5-2cmの長楕円状披針形で基部はくさび形で先はとがり、縁に鋭い鋸歯がある。 枝先に複散形花序を出し、小散形花序はほぼ球形で、直径3mmほどの白色の小花を多数つける。総苞片はなく、線形の小総苞片が数個ある。萼歯片があり広3角形。花弁は5個で先は内側に曲がる。雄しべは5個で花弁と互生する。花柱は2個。 果実は無毛の2分果で、長さ約2.5-3mmの扁球形、隆条は太くて低く明色のコルク質、油管は各背溝下に1個、合生面に2個ある。 花期:6-8月 分布:北・本・四・九 撮影:2005.7.9 秋田県大仙市 |
よく枝を分け、球形の小散形花序に多数の小花をつける。花期にはセリよりも大きくなる。 2005.7.9 秋田県大仙市 |
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