エビスグサ

エビスグサ(マメ科)[夷草・胡草]

名は外国(夷)から渡来したことからついたもの。地方名としてイシャダオシ、ドクケシ、ハブソウ、マメチャ、ロクケシ等がある。
南北アメリカ原産で、享保年間(1716-36年)に薬用として中国から渡来した。関東地方以西の市街地や畑などに逸出、野生化している。
視力を回復するという意味で漢名を決明といい、秋に収穫して日干しした種子を漢方では決明子(けつめいし)とよぶ。緩下作用のあるエモジンやアロエエモジンなどを含み、民間療法として煎液をハブ茶といって飲用するほか、口内炎や高血圧にも効果があるとされる。本来のハブ茶の原料は同属のハブソウの種子だが、現在では収量が圧倒的に多いエビスグサの種子が使われている。

茎は稜があって直立し、分枝して高さ0.7-1mになる1年草。初め短毛があるが後に無毛となる。
葉は互生し、柄がある偶数羽状複葉。基部に最も近い1対の小葉の間の葉軸上に1個の蜜腺がある。小葉は2-4対(ふつう3対)、長さ2-6cm、幅1-2.5cmの倒卵形~倒卵状長楕円形で全縁、先は円い。裏面に軟毛がある。托葉は線形で1対。
夏、葉腋から伸びた長さ1-2cmの花柄に直径1.5-2.5cmの黄色い5弁花が1-2個つく。花柄は長さ1.3-2.3cm。萼は5全裂し、裂片は長卵形。花弁は5個でほぼ同形の倒卵形。雄しべは7個。
豆果は角張った円柱形で細長く湾曲し、長さ10-15cm、幅3-7mm、25--30個の種子を入れる。種子は1列に並び、長さ約5mmの菱形、茶褐色で光沢がある。

ハブソウは小葉は4-6対、長楕円形で鋭頭。
花期:7-9月
分布:帰化植物
撮影:2023.11.30 横浜市南区
エビスグサ-2
茎は稜があって直立する。 2024.8.1 横浜市南区

エビスグサの花
花弁は5個でほぼ同形。 2024.8.1 横浜市南区

エビスグサの葉
葉は2-4対の偶数羽状複葉で小葉の先は円い。 2024.8.1 横浜市南区

エビスグサの蜜腺
一番基部の小葉の間の葉軸上に1個の蜜腺がある。 2024.8.1 横浜市南区

エビスグサの托葉
托葉は線形で1対ある。 2024.8.1 横浜市南区

エビスグサの豆果
豆果は細長く、湾曲する。 2019.10.23 横浜市南区

エビスグサの種子
種子は菱形。 2023.10.18 横浜市南区

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