エゾノシシウド

エゾノシシウド(セリ科)[蝦夷の猪独活]

シシウドに似て北海道に生えることからこの名があるが、青森県にも産する。

海岸の草地に生え、茎は中空で太く、直立して上部で枝を分け高さ0.6-1.5mになる無毛の多年草。
葉は互生して広く、1-2回羽状複葉で分厚くて硬く光沢がある。小葉は菱状卵形~広楕円形で重鋸歯があり、先はとがり脈が目立ち脈上に毛がある。頂小葉はときに3裂する。葉柄は下部または全部が袋状に膨らむ。セリ科の植物は区別が難しいものが多いが、これは小葉が菱状卵形であることでそれと分かる。
初夏から夏に数個の複散形花序を出し、密に小さな花を多数つける。花弁は白色で5個、長楕円形で全縁、先は内側に曲がる。小花柄は長さ4-7mm。
果実は長さ6-8mmの長楕円形でほぼ無毛、分果には細い油管が多数ある。

変種のエゾヤマゼンゴは、北海道の亜高山帯~高山帯に生え、花はよりまばらにつくが、エゾノシシウドと同一のものとする見解やミヤマゼンゴの変種とする見解がある。
花期:6-7月
分布:北・本(青森県)
撮影:2008.6.28 青森県八戸市
エゾノシシウドの葉
小葉は菱状卵形~広楕円形で先はとがり厚く光沢がある。 2008.6.28 青森県八戸市

エゾノシシウドの葉柄
葉柄基部は袋状に膨らむ。 2008.6.28 青森県八戸市

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