エゾニュウ(セリ科)[蝦夷にゅう] |
ニュウはアイヌ語に由来し、食用または薬用になる草本のことだという。 山地や海岸の草地などに生え、高さ3mに達する大型の多年草だが、一回繁殖型植物で一度開花結実すると枯れる。山地のものは大きく、海岸のものはそれほど大型にならない傾向がある。 茎は中空で多くは赤紫色を帯びて太く、直径5-6cmになり、直立して上部で枝を分ける。鞘は大きく膨れて赤い。 葉は互生し、2-3回3出羽状複葉で小葉は長楕円形で鋸歯があってさらに裂け、裂片の基部は軸に流れ、先は鋭くとがる。葉裏の脈上にのみ毛がある。葉柄の基部も大きく膨らんだ肉質で、袋状の鞘となって茎を抱く。 複散形花序も大型で、大花序は40-60個、小花序は30-40個の柄を放射状に出し、白色の小さな花を多数つける。総苞片はないかあっても1個で、小総苞片は数個つく。萼歯片は目立たない。 果実は2分果で、扁平な広楕円形で両端がへこみ、側方に広い翼がある。油管は各背溝下に1-2個、合生面に2-3個ある。 北海道ではあまり食べる習慣がないようであるが、秋田県ではサク、ニョウサク、ニオなどとよんで中心の軟らかい茎を採取し、あくが強いのでゆでてから塩蔵して冬に食べる。最近は産直にも加工品が置いてある。 アマニュウは小葉は広卵形でエゾニュウに比べ、円っぽい印象がある。 花期:7-9月 分布:北・本(中部地方以北) 撮影:2002.9.16 青森県東通村 |
茎は赤紫色を帯びて太い。 2001.9.22 青森県三厩村 裂片の先は鋭くとがる。 2002.9.16 青森県東通村 |
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