エゾスズラン(ラン科)[蝦夷鈴蘭] |
同属のカキランを別名スズランといい、よく似て北海道に生えるという意。ただし、北海道から九州まで分布する。緑色の花をつけるので別名アオスズランという。なお、クロマツなどの暖温帯海岸林下に生えるものを変種ハマカキランとして区別する見解があったが、両者は萼片や唇弁の僅かな色の差以外に顕著な形態の差はなく、DNA情報からもエゾスズランと違わないことから区別しないこととされた。 山地帯~亜高山帯の林下に生える目立たない地生ランで、高さ30-60cmになる。全体に褐色の短い縮毛が生えていてざらつく。根茎は短く匍匐し、肥厚しない。 葉は5-7個が互生し、長さ7-12cm、幅2-4cmの楕円状卵形で鋭くとがり基部は茎を抱く。葉面や葉脈上に白色の毛状突起がある。 総状花序に淡緑色で直径1-1.5cmの花を片側に偏って20-30個つけ、下から咲いていく。苞は草質でふつう花被より長い線状披針形。萼片は長さ0.9-1.2cmの狭長楕円形で鋭頭、著しい稜がある。側花弁は卵形で萼片より短く鋭頭。唇弁は蕊柱の基部につき淡緑色で明瞭に上下に分かれ、卵状披針形で側花弁と同長、基部に距はない。下唇は半球状楕円形で内面は黒褐色、上唇は3角形。蕊柱は大きく、下唇と同長。葯は2室、広卵形で先端につく。 果実は蒴果。 同属のカキランは、全体無毛で花の数が少なく10個程度。花は柿色で、エゾスズランよりはるかに人目につく。 花期:7-8月 分布:北・本・四・九 撮影:2009.7.26 青森市 |
花は淡緑色で目立たない。茎に縮毛が生える。 2009.7.26 青森市 葉の基部は茎を抱く。 2009.7.26 青森市 海岸に生え、かつて変種ハマカキランとされていたもの。 2019.6.12 神奈川県茅ヶ崎市 2019.6.12 神奈川県茅ヶ崎市 |
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