ゲンゲ(マメ科)[紫雲英・蓮華草] |
別名レンゲソウという。別名は輪状に咲く花を仏像の蓮華座にたとえたもの。また、ハスの花そのものにたとえたとの説もある。そのレンゲが転訛してゲンゲになったものという。漢名の「翹揺」の音読みとも。さらにレンゲと発音するのは死を意味するので、わざわざゲンゲに変えたという説もある。岐阜県では県花としている。 室町時代~江戸時代に渡来した中国原産の越年草で、根に根粒バクテリアが共生し、空中の窒素を固定して蓄えるため、関東地方より南の地方で水田の緑肥用に栽培されたが、化学肥料の普及でそうして利用されることも少なくなり、この風景をなかなか見ることができなくなった。しかし、近年は有機農業が盛んになってきたことから、ゲンゲの効用が再認識され、復活のきざしが見えてきている。 牛や羊、山羊の飼料として、また蜂蜜の蜜源としても利用される。しばしば逸出して野生化している。早春に伸び出した若芽や花は天ぷらなどに利用できる。 茎は白い伏毛があり、分枝して地をはって広がり、高さ10-30cmになる。 葉は互生し、奇数羽状複葉で3-5対の小葉からなり、小葉は長さ0.8-1.5cmの倒卵形~楕円形で全縁、先端は円筒~少しくぼみ、両面に軟毛がある。葉柄の基部に長さ3-6mmの卵形で鋭頭の托葉が1対ある。 葉腋から長さ10-20cmの花柄を直立して伸ばし、長さ1-1.5cmの紅紫色の蝶形花を輪状に7-10個つける。旗弁と竜骨弁はほぼ同長で、竜骨弁は翼弁より長い。萼は長さ4-5mmの筒状で5裂し、萼裂片は萼筒より短い。 豆果は長さ2-2.5cm、幅4mmの舟形で、やや湾曲して先は嘴状にとがり、無毛で黒熟する。 まれに白花もあり、シロバナゲンゲという。 花期:3-6月 分布:帰化植物 撮影:2016.3.31 横浜市戸塚区 |
かつては水田の緑地用にあちこちで栽培されていた。 2008.4.28 山梨県都留市 2021.3.30 横浜市緑区 花は蝶形花が輪状に集まったもの。 2021.3.30 横浜市緑区 葉は奇数羽状複葉。 2021.3.30 横浜市緑区 豆果は舟形で湾曲して先は嘴状にとがり、黒く熟す。 2021.5.6 横浜市緑区 |
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