ヒメイワダレソウ

ヒメイワダレソウ(クマツヅラ科)[姫岩垂草]

名は、イワダレソウに似て小さいことからついたもの。

南アメリカのペルー原産の多年草で、グランドカバーとして昭和初期に導入されたものが逸出して野生化している。既存の生態系に甚大な被害を及ぼすおそれがあるとして、生態系被害防止外来種(重点対策外来種)に指定されている。園芸用としてはリッピアの名で流通している。
日当たりのよい裸地などに生え、茎は基部でよく分枝し、4稜があって地面を匍匐し、節ごとに葉を伸ばしそこで根を下ろしてカーペット状に広がる。
葉は対生してやや厚く、長さ0.5-2cm、幅2-7mmの倒卵状楕円形で基部はくさび形で先はとがる。上半部に粗い鋸歯がある。
葉腋から長さ1-10cmの花序の枝を伸ばし、その先に直径1cm、長さ0.5-1cmほどの密な穂状花序をつけて冠状に咲き上がっていく。花冠は長さ3-4mm、やや唇形で白色~淡紅紫色、下唇は3裂し、中央裂片基部に黄色の斑紋がある。雄しべは4個。花序周囲にある個々の下唇が集合して1つの花の花弁のように見える。
果実は2分果だが日本で生えるものは不稔で、専ら匍匐茎の断片による栄養繁殖で旺盛に殖えるのだといわれてきた。しかし、結実率の高い系統も存在するらしく、種子繁殖による拡散にも相当な注意を払う必要がある。
花期:5-10月
分布:帰化植物
撮影:2015.8.8 埼玉県吉見町
ヒメイワダレソウ-2
地面を横にはって根を下ろしながら広がる。 2022.6.3 神奈川県鎌倉市

ヒメイワダレソウ-3
2015.8.8 埼玉県吉見町

ヒメイワダレソウの花序
花は白色~淡紅紫色。花序全体で一つの花に見える。 2019.9.13 横浜市中区

ヒメイワダレソウの葉
葉はイワダレソウに似て上半部に鋸歯がある。 2015.8.8 埼玉県吉見町

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