ヒメサユリ

ヒメサユリ(ユリ科)[姫早百合]

西日本に分布するササユリ(サユリ)に似ているが、小型なのでこの名がある。栽培されたものがオトメユリの名で売られている。日本特産種で環境省レッドリスト準絶滅危惧(NT)。高山に生えるユリとしては、このほかに葉が輪生するクルマユリも見られる。

山形・福島・新潟県境付近および宮城県南部の標高200-800mの深山の草地、また飯豊朝日連峰の亜高山帯の高茎草原に生える多年草。茎は直立して高さ30-80cmになり、円柱形で無毛。鱗茎は直径2-5cmの卵球形、淡紅白色で肉質。鱗片は長卵形で苦みは少ない。
葉は互生し、長さ6-10cm、幅3-3.5cmの広披針形~狭長楕円形で縁に半円形の小さな突起があり、基部は広いくさび形~円形で先は次第に狭まってとがる。両面とも無毛で長さ5-8mmの短い柄がある。
茎頂に1-3個の香りのある上品な花を横向きに開く。開花はユリの仲間で最も早く、5月末に咲き始める。花は直径5-8cm。花被片は6個、淡紅色~白色で斑点はなく、長さ5-7cmの倒卵状披針形で下部は漏斗形に集まり、先は鈍頭で僅かに反り返る。外片と内片は等幅。内面下部に中脈に沿って僅かに毛がある。雄しべは6個で花糸は短く、花冠から突き出ない。葯と花粉は黄色、線形で丁字着。子房は上位3室、雌しべの柱頭は3裂。
果実は蒴果で胞背裂開する。

西日本に分布するササユリは丈が0.8-1mと高く、花が多い。花被片は長さ10-15cmあり、外片は内片より幅が狭い。葯と花粉は赤紫色。葉は披針形。
花期:5-8月
分布:本(山形・福島・新潟・宮城県)
撮影:2019.6.5 神奈川県箱根町(植栽)
ヒメサユリの花
花被片は僅かに反り返り、雄しべは花冠から突き出ない。 2019.6.5 神奈川県箱根町

ヒメサユリの葉
葉は広披針形でササユリより幅広い。 2019.6.5 神奈川県箱根町


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