ササユリ

ササユリ(ユリ科)[笹百合]

葉が笹の葉に似ていることからこの名がある。サユリ(早百合=早く咲くユリの意)とよばれることもある。西日本を代表するユリで、種小名japonicumは「日本の」の意で日本固有種。昔は山百合といえば現在のヤマユリではなく全て本種を指していたらしい。

丘陵~山地の林縁や草地に生える多年草で、茎は直立し高さ0.5-1mになる。鱗茎は白色で直径2-4cmの卵球形。苦みはない。
葉は互生し、長さ8-15cmの先のとがった披針形~狭披針形で明瞭な柄があり、あまり多くはつかない。
初夏、茎頂に香りのある花が数個横向きにつく。花被は淡紅色で漏斗形、花被片は長さ10-15cmの倒披針形で、内片3個は外片3個より幅広く、先はやや反り返る。雄しべは6個、葯は線形で丁字着、花粉は赤褐色または黄色。子房は上位で3室。雄しべ雌しべは少し花外に出る。
果実は長さ3-4cmの倒卵形の蒴果で胞背裂開する。

葉幅が狭く香りの強い変種をニオイユリという。葉の幅、花被の色は変化がある。ジンリョウユリは全体小型で葉が細く、花被片の基部が濃紅色になるもので、名は徳島県神山町神領で見つかったことから。
東北地方に生えるヒメサユリは、やや小型で花被片は等幅。花色はササユリより濃く、花粉は黄色。
花期:6-7月
分布:本(中部地方以西)・四・九
撮影:2024.6.29 神奈川県箱根町(植栽)
ササユリ-2
花は横向きに咲く。花被は白に近い淡紅色。 2024.6.29 神奈川県箱根町

ササユリの花
内花被片は外花被片より幅が広い。先はやや反り返る。 2024.6.29 神奈川県箱根町

ササユリの葉
葉は披針形~狭披針形。 2024.6.29 神奈川県箱根町

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